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ポール・マッカートニー Paul McCartney ビートルズ The Beatles 最新ニュース powered by Jash

ポール・マッカートニー、ビートルズに関する最新ニュースブログ。twitterのニュース配信ログとなっています。また、過去のニュース(2006〜2009年2月まで)を掲載しています。powered by Jash's Homepage → http://jash.hacca.jp
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ザ・ビートルズ、ジョージ・マーティンによる『LOVE』全曲解説
ビートルズ作品を数多く手掛けてきた名プロデューサー、ジョージ・マーティンとその息子ジャイルズ・マーティンがビートルズの残されたマスター・テープを掘り起こして制作した最新作『LOVE』。本作をもって、オリコンTOP10入りしたアルバム獲得数が計17作となり歴代洋楽アーティスト1位の座に輝いたビートルズだが、この度、日本語オフィシャル・サイト( http://www.toshiba-emi.co.jp/beatles/ )にてジョージ・マーティンとジャイルズ・マーティンによる『LOVE』の全曲解説が公開された。ビートルズ作品を数多く手掛けたジョージ・マーティンならではのその時代の裏話や、ジャイルズによる今回のレコーディング裏話など興味深い話が満載なのでお見逃しなく!


1. ビコーズ
ジョージ:アルバム『アビイ・ロード』でこの曲をレコーディングしている時に、ジョンが考えついたアイディア。ジョンはベートーヴェンのソナタ『月光』の出だしを聞いて、そこからこの曲の基盤となっているギターのアルペジオのパターンを展開させていった。ジョン、ポール、ジョージだからこそできたハーモニーによるこのトラックを今新たに聞けば、彼らがいかに素晴らしいヴォーカリストたちだったかがわかる。
ジャイルズ:『LOVE』の監督のドミニク・シャンパーユは、前々からアルバム『アンソロジー』を聞いて「ビコーズ」のアカペラ・ヴァージョンを気に入っていたが、その彼がこの曲をショウの中で使えないかと打診してきた。ヴォーカルはジョン、ポール、ジョージがそれぞれのパートを同時に歌っているものを3回録音している。マイクロフォンを取り巻くその歌声の響きは見事と言うしかない。

2. ゲット・バック
ジョージ:このトラックはドライヴ感あふれるロック・サウンドで幕を開ける。見事なドラム、素晴らしいギター…、全くもってすごいバンドだ!
ジャイルズ:「ゲット・バック」を聞くと、どうしても彼らがロンドンのサヴィル・ロウのアップルの屋上でこの曲を演奏している風景が浮かんでくる。この曲でショウがスタートするのも違和感がなく、「ジ・エンド」からのドラム・ソロがイントロとして見事に役目を果たしている。

3. グラス・オニオン
ジョージ:ジョンによるありきたりでない労作の一つ。彼は窓を叩き割る音や電話のベル、BBCの放送効果音などを混ぜ合わせたサウンドまで録音していたが、(当時は)すべて使われないまま終わっていた。その代わりとして、この曲により色彩を持たせるためのストリングスのアレンジを私が書くことになった。ひんぱんに耳にすることはないが、私のお気に入りの変わり種の一曲である。
ジャイルズ:「グラス・オニオン」にはものすごいグルーヴ感がある。ショウの中で戦時中のリバプールの混乱の雰囲気を伝えるようなが何かが要求されたので、他の曲から楽器部分を断片的に抜き出していろいろ合体させてみた。左手側から聞こえる「今日の誓い」のギターなどは、まるで最初からこの曲の一部だったかのようだ!

4. エリナー・リグビー/ジュリア(トランジション)
ジョージ:この曲のレコーディングを開始する時点で、すでにオーケストラ・サウンドが持つ可能性に気がついていたポールは、初めてストリングスのみによる曲を書いたのだった。私が手配したのは、4台のヴァイオリン、2台のヴィオラ、2台のチェロというダブルの弦楽四重奏団で、マイクロフォンに近づけて録音した時の音の浅さが、まさに我々が求める切迫感のあるサウンドを演出してくれた。バーナード・ハーマンの「サイコ」とそっくりなのは、明らかに意図的なものである。
ジャイルズ:ビートルズのアーカイブを長らく管理しているアラン・ラウズが編み出したあるテクニックによって、最初にレコーディングされた4トラックとボツになった音源を合体させることができた。これによりオリジナル・トラック以上のものからのミックスが可能になった。

5. アイ・アム・ザ・ウォルラス
ジョージ:ジョンが「アイ・アム・ザ・ウォルラス」を初めて私に弾いて聞かせてくれた時、なんとも気味の悪いサウンドだと思ったが、彼がやりたい方向性でバンドと共にトラック作りを始めた。すると今度は、私にあまり特定的にならないスコアを書いてほしいと言ってきた。長いこと真剣に考えた結果、私はヒューッという声やチャント(詠唱)、そして笑い声を録音するために、オーケストラを一団と16人分の声を確信を持って手配した。このコーラス隊がやっているものを聞いたジョンは、あまりの意外さに笑い転げた。気まぐれこの上ない曲ではあるが、間違いなく傑作だ。
ジャイルズ:「ジュリア」から「アイ・アム・ザ・ウォルラス」へとつなぐギターはあまりに美しくピースフルで、このメイン・トラックが持つ狂気と好対照を見せている。時代を超えたこの曲のサウンドは、今日においてもなお他に類を見ない。これ以上サイケデリックにしてみようがないので、バンドの音をもう少し引き出すのみにとどめた。

6. 抱きしめたい
ジョージ:1963年から64年に年が変わる時、私はビートルズと一緒にパリに滞在していた。夜中の一時にブライアン・エプスタインがホテルの私に電話してきて、歓喜と誇りの入り混じった声で、「抱きしめたい」がチャートを急上昇し、ついにアメリカでナンバーワン・シングルになったことを報告した。まさに栄えある、そして意義深い瞬間だった。ビートルズがついにやったのだ!
ジャイルズ:違った形で曲を聞かせなければならないというプレッシャーの中、初期の素材はトラックが分離されていない分さらに難しかった。父が『ライヴ・アット・ザ・ハリウッド・ボウル』の3トラック・テープを使って、それをオリジナル・マスターと合体させるアイディアを思いついたのだが、なんと両ヴァージョンはお互い見事に調和してくれた。よって今耳にしているのは、この曲のライヴ・ヴァージョンとスタジオ・ヴァージョンを合わせて編集したものだ。

7. ドライヴ・マイ・カー/愛のことば/ホワット・ユーアー・ドゥーイング
ジョージ:「ドライヴ・マイ・カー」は傑作『ラバー・ソウル』のオープニング・ナンバーで、1965年10月のとある夜の午後7時から深夜0時の間にトントン拍子でレコーディングが済んだ。このリズム感はショウの中のダンスの連続シーンにピッタリ合った。その数週間後に録音された「愛の言葉」は特徴的なビートを持った曲で、これもやはり数時間で完成した。「ホワット・ユーアー・ドゥーイング」はこれより一年前に録音されたものだが、やはり同じくドライヴ感のあるリズムを持った曲だ。絶頂期にあった彼らはまさに働きづめで、ひとときの時間も無駄にしなかった。
ジャイルズ:ビートルズはポップ・ミュージックにおいていくつかの有名なリフを編み出しているが、この「ドライヴ・マイ・カー」が何といっても最高だろう。この頃のビートルズの音楽は、まさにスウィンギング・シックスティーズ華やかなりしロンドンを象徴している。「愛の言葉」と「タックスマン」は素晴らしいグルーヴ感を備えているので、このアルバム中唯一のメドレーでは、絶頂期にあったバンドの魅力を極力ブレンドしようと試みた。

8. グンキ・ンサ
ジョージ:場面を印象づけるようなサウンドで、ムードを盛り上げてくれる序曲がショウの中で必要になった時、ビートルズによるこれまで聞いたことのないコラーレ(合唱)がその役目を果たしてくれた。「グンキ・ンサ」となった理由は一目瞭然だが、弁解はすまい。なぜなら私から見るとまさに魅力的な作品に仕上がり、劇中でとてもよく映えているからだ。
ジャイルズ:「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー/トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ」のエフェクト用に「サン・キング」のシンバルを逆回転させたところ、ヴォーカルまで一緒に逆回転させてしまったことに気がついた。これを聞いた父がたいそう気に入り、ジョンもきっとこういうことがやりたかったはずだと言ってくれた。

9. サムシング/ブルー・ジェイ・ウェイ(トランジション)
ジョージ:ジョージによる最も美しい曲で、これによって彼もジョンやポールと同じくらい素晴らしい曲を書けるということにみんなが気づき、彼に大きな自信を与えた。ビリー・プレストンによるキーボード・ラインを入れたマスター・トラックは5月に完成し、8月中旬には最終的なストリングスのオーケストラを加えた。仕上がりには大いに満足した。
ジャイルズ:「サムシング」はとても繊細な曲なので、ピッタリだと思う。エフェクトのためにストリングスをあちこち動かし、ジョージの素晴らしいヴォーカル・パフォーマンスをより際立たせるようにした。

10.ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト/アイ・ウォント・ユー(シーズ・ソー・ヘヴィ)/ヘルター・スケルター
ジョージ:この曲は間違いなくジョンの最も絵画的な作品の一つであり、スタジオでは本物のサーカスみたいなサウンド作りをみんなで楽しんだ。困ったのはジョンとポールがプロデューサーごっこをしている間、古代のハルモニウム(リードオルガン)を演奏しなければならないことだった。彼らは私があの忌わしい楽器のペダルを踏みながら何時間も悪銭苦闘するのを見て喜んでいた。ショーではやや違ったもっと暗いムードが求められたので、オリジナルのサウンドはすべてそのままにしながら、エンディングにかけてかなり切迫感に満ちた仕上がりになった。
ジャイルズ:『LOVE』の監督が描いていたのは、ヴィクトリア朝時代のおどろおどろしいサーカスのイメージだった。そこで僕らは「ミスター・カイト」を全く違った観点からアプローチすることにした。「ブルー・ジェイ・ウェイ」が見事に場面設定の役割を果たしてくれ、「グッド・モーニング」からのサウンド・エフェクトがサーカスの臨場感を出している。あらぬ方向に行くサーカスを演出するサウンドとしては、「アイ・ウォント・ユー(シーズ・ソー・ヘヴィ)」を荒れ狂うオルガンの最後尾に編集し、「ヘルター・スケルター」のポールのヴォーカルをかぶせた。

11. ヘルプ!
ジョージ:「ヘルプ!」はもともとビートルズの2作目の映画のために書かれた曲だが、多くの精神科医気取りの人々は、これを名声や成功から逃れようとするジョンの悲痛な叫びだと深読みしたがる。しかしむしろこれは単純明快な、よく出来た作品だと言える。スタジオでは大したいざこざもなく完成し、映画のタイトル・ソングとしても大成功だった。
ジャイルズ:この曲は4トラックであっと言う間に録音され、バンドの演奏は一つのトラックにライヴ録音されている。これほどナチュラルなビートルズのサウンドは、演奏が放つパワーを聞いているだけでウキウキしてくる。

12. ブラックバード/イエスタデイ
ジョージ:ショウで「イエスタディ」を使うべきかどうかについては、かなり悩んだ。ひとつの時代の象徴ともいえる有名な曲であり、いいかげん聞き尽くされてしまったのではという心配もあったからだ。オリジナルに弦楽四重奏がつけられたいきさつはよく知られているものの、当時のレコーディング技術がいかに限られたものであったかということは、ほとんど知られていない。だからこの曲を入れない可能性も強かったのだが、これほど素晴らしい作品を誰が無視できようか? 「ブラックバード」のポールのギター・ワークの一部をイントロに導入したが、今聞くとこれで正解だったと思う。このシンプルさがダイレクトに、胸にグッと響くのだ。
ジャイルズ:繊細な曲だと、劇場ではどんな感じに聞こえるのかよくわからなかった。曲が持つ優しさが失われるのではないかと心配だった。モントリオールではサウンド・デザイナーのジョナサン・ディーンズと一緒に仕事をしたので、その時PAをいろいろいじらせてもらったが、僕がそれを使って「イエスタデイ」をかけ始めたら、現場の人たちがみな作業の手を休めてじっと聞き入っていた。その時僕はたぶん大丈夫だろうと思った。

13. ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
ジョージ:初めて「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を聴いた時のことは一生忘れないだろう。いつものようにジョンはたった一人の観客である私の前に立つと、アコースティク・ギターをかき鳴らしながら、あの素晴らしいオープニング・ラインを歌い出した。これまでとは全く違う素材で、レコーディングするにははかな過ぎるとも思えるこの曲に、私の心は完全に奪われた。この曲には数回の変更があったためレコーディングも一度では終わらず、最終的にはキーもテンポも異なる二つのヴァージョンを合体させることになった。自分では気に入っているが、ジョンはそれから何年も経った頃、自分は本当は満足していないと私に言った。きっとレコーディングのやり方に不満があったのだろう。もう許してくれているといいのだが。
ジャイルズ:『LOVE』の監督から、ビートルズのスタジオでの実験性と創作性を見せてもらいたいとの依頼があった。ヨーコがジョンが歌っている「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」の初期のデモを何本か提供してくれていたので、オリジナル精神に乗っとり、ごく初期のテイクと最終ヴァージョンを合体させることにした。しかし僕が休暇に出かけてしまったため、かわいそうなことに父が何時間もかけて可変速テープマシーンを使って、すべてのテイクのキーをBに合わせる羽目になった。休暇から戻ると、僕は約6週間かけて様々なトラックを合体させ、新たな長尺ヴァージョンを作った。そして最終部分ではゴキゲンなドラムを使って、ちょっとだけ楽しむことにした。

14. ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー/トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ
ジョージ:ポールはつねに新しいサウンドを模索していて、家ではブレネルのレコーダーを使っていろいろ実験を繰り返していたが、ある日、テープの一定のループ上には音がいっぱいになるまで録音できることを発見した。私はこれらの中から何本ものテープを選び出し、時にはスピードやピッチを変えながら、ジョンが書いた新作に使ってみた。彼らがたった3テイクで録音した素晴らしいリズムを使って曲をスタートさせると、タンブーラの音色やけだるいリンゴのドラム・ビートを随所に入れながら、こうして「トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ」は生まれたのだった。後に『サージェント・ペパーズ』を制作していた最中のこと、かなりインドに傾倒していたジョージは、興味深く特徴的な曲「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」を作った。ジョージと一緒に行なったこのレコーディングは、楽しくて仕方なかった。複雑なリズムと色調に対する彼の感性は尊敬に値するもので、この曲は『サージェント・ペパーズ』のB面のトップを飾ることとなった。ジャイルズの提案により、この2曲をこんなにも見事な方法で合体させることができた。
ジャイルズ:これはショウのための最初のデモ作りの時に、最初にトライしたものの一つだ。ショウに関わるすべての人々の感情を損ねるのではと不安になり、一時は誰にも聞かせようとしなかった。これが受け入れられたことで、いかにみんなが僕らが作っている音楽に対して心を広く持ってくれているかがわかった。

15. ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ザ・ダイアモンズ
ジョージ:この曲の不思議な歌詞には、ジョンが渾身の力を込めて描いた、ルイス・キャロルやサルヴァドール・ダリの作品の向こうを張るサイケデリックな世界が広がっている。事の始まりは、息子のジュリアンがクラスメイトのルーシを描いた絵を学校から持ち帰ったことだった。絵の中の彼女はまるで宙に浮いているようで、その回りには小さな星がいくつも描かれていた。この純真さ! 曲はあっという間にできあがり、冒頭の数小節はシンプルながらも素晴らしい。
ジャイルズ:『LOVE』の監督から、LED(発光ダイオード)を使って一面の星空を作るというアイディアを聞かされた僕は、すぐさまこの曲を星が一つずつチカチカ光りながら現れる場面と共に導入することを思いついた。オリジナルのキーボードを細切りにしながら可変速を使い、なんとか求めていたエフェクトが出せた。

16. オクトパス・ガーデン
ジョージ:ショウの中でリンゴの「オクトパス・ガーデン」を使うことができて嬉しく思っている。多くの意味で、時代を感じさせない、そして子どもの耳にも馴染みやすい曲であり、何と言っても『LOVE』の監督が想像力を駆使して作り上げた、意外な始まり方をする海底シーンにピッタリな選曲だ。
ジャイルズ:リンゴ一人でスタートするとすごくいいんじゃないかと思った。最初は彼のヴォーカルと「グラス・オニオン」のエンディングのストリングスをくっつけたところ、ちょっと気持ち悪すぎた。そこで「グッドナイト」のストリングスを試してみることにした。それはステレオだったこともあって、前から興味があったのだ。すると父が、ストリングスを倍にしてヴァースを2度繰り返せばヴォーカルがもっとよく聞こえるようになるのではないかと指摘してくれた。いつものことながら、やはり父は正しかった。リンゴの声もよく響いている。

17. レディ・マドンナ
ジョージ:ポールと初めて会った時には彼がギターしか弾けなかったことを思うと、曲をグイグイと引っぱる彼のブギー・ピアノには目を見張るものがある。バッキングではカズーを使うつもりだったが、使いこんだクシと紙だけでもちゃんといい仕事をしてくれた。
ジャイルズ:「ヘイ・ブルドッグ」のリフをショウのどこかで使いたいと思っていたところ、「レディ・マドンナ」の中盤に入れたらピッタリだったものの、しっくり来るまでには多少時間がかかった。「アイ・ウォント・ユー(シーズ・ソー・ヘヴィ)」のビリー・プレストンのオルガン・ソロがこの2曲の糊しろ部分の役割を果たし、サックスのソロの代わりには「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のエリック・クラプトンのギター・ソロを使った。

18. ヒア・カムズ・ザ・サン/ジ・インナー・ライト(トランジション)
ジョージ:ジョージの素晴らしいギター・ワークによるところが大きい、変わった拍子を持つ傑作だ。一方「ジ・インナー・ライト」は全く趣が異なり、こちらは基本的にジョージが『ワンダーウォール』の映画とアルバムのための音楽をボンベイでレコーディングしていた時に録音されたもの。ジョージは私がその存在も知らない、奇妙で素晴らしい楽器を操るインド人の名演奏家たちを何人も使っていた。イギリスに戻った彼は自分のヴォーカルを加え、私たちはそれにジョンとポールのヴォーカルをオーヴァーダブした。
ジャイルズ:ビートルズのサウンドにかなりインドの影響を持ち込んだジョージだが、不思議なことに彼の有名曲にはインド楽器が使われていない。「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」で使われたダブラとデルロウバがジョージのギターへの見事なイントロの役割を果たしている他、シーン設定のためにこの曲のコーラス部分を用いることにした。「ヒア・カムズ・ザ・サン」は悟りについて歌った名曲で、完結したシーンを作り出した後に「ジ・インナー・ライト」で幕を閉じる。

19. カム・トゥゲザー/ディア・プルーデンス/クライ・ベイビー・クライ(トランジション)
ジョージ:「カム・トゥゲザー」はいたってシンプルな曲ながら、演奏者たちの傑出した素晴らしさゆえに際立っている。ポールのベース・リフがリンゴの想像力に富んだドラムの素晴らしい土台を作り出し、ヘヴィなテープ・エコーを効かせたジョンのヴォーカルは、彼が手を叩き、マイクロフォンにシュッという息を吹きかける瞬間、最大の威力を発揮する。ジョージのギターも同様に際立っており、全体的に見てこれはビートルズの最高傑作の一つだと信じている。「ディア・プルーデンス」と合体させたのは「クライ・ベイビー・クライ」のエンディング部分のポールのヴォーカルの一部分で、これがうまくムードを醸し出している。
ジャイルズ:僕にとってこれは経済的な意味でもインスピレーション的にもビートルズの中で最高のライヴ演奏だ。すべてのパートが見事に構成されているうえに音が浅いため、この曲につけ足しできそうなものは何もない。「ディア・プルーデンス」を用いたのはフェードアウトの終わり方を避けるためで、「カム・トゥゲザー」のエンディングにおけるコーラスとリンゴの激しいドラミングが、クライマックスを見事に盛り上げている。監督のドミニク・シャンパーニュが、「レヴォリューション」に入る前にいったん何か掻き乱すようなサウンドを欲しがったので、このエンディングならどこか別世界からの音のように聞こえるのではないかと思ったのだ。「エリナー・リグビー」で使われたストリングスと「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」のクライマックスが、オリジナルにはない切れ味を出している。

20. レヴォリューション
ジョージ:これほど力強いハード・ロック録音が他にあるだろうか。ギターのディストーションは当時の保守的なリスナーたちから非難ごうごうだったが、実際のところ当時シングル盤用にマスターをカットする際にはかなり多くのテクニック上の問題が出てきた。ジョンの曲の多くがそうであるように、そのメッセージはまさに明快で、当時としてはかなり革命的だ!
ジャイルズ:「レヴォリューション」のギター・サウンドには頭を引っ叩かれるような思いだ。今日でも‘ディストーション'と言えばまさにこの曲で、もう40年近くも前に録音されたのは驚くほかない。

21. バック・イン・ザ・U.S.S.R.
ジョージ:当時フラストレーションがたまったリンゴが一時的にグループを抜けてしまうという緊迫したムードの中、なんと2日でレコーディングとミックスをやってしまった。ポール、ジョージ、ジョンの3人はリンゴ抜きでなんとかやってみようと、ポールがドラムを叩いて「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」のレコーディングを始めた。やがてリンゴが戻り、自分抜きでもどうにか一曲できたことを知るが、他のメンバーたちは彼が戻ってきたことをとても喜び、花束をどっさり贈った。それにしても、これはリンゴの素晴らしいドラミングを聞くことができない数少ない一曲だ。
ジャイルズ:「レヴォリューション」と同様、このマルチ・トラック・テープが持つ爆発的なエネルギーは、手の加えようがなかった。

22. ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
ジョージ:ほとんどの人が「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のヘヴィー・ヴァージョンを頭に描くだろうが、それより前にほとんどデモに近い初期のヴァージョンがアビイ・ロードで録音され、『アンソロジー』が出るまで捨てられたも同然の状態だった。私はその初期テイクがちゃんとマスターらしい音になるように、ストリングスのスコアを書くよう依頼された。責任の重さを感じたが、ありがたいことに、オリヴィアやみんなが仕上がりにオーケーを出してくれた。「イエスタデイ」は私が1965年に最初にビートルズのためにスコアを書いた曲だが、それから41年後のこの曲で最後となる。これは世界を変えた驚くべき4人組と一緒に過ごした素晴らしい年月を、締めくくるスコアでもある。
ジャイルズ:『LOVE』の監督とオリヴィアがアコースティック・ヴァージョンである「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」のテイク1を是非ショウで使いたいと考え、どうにかならないかと依頼してきた。このテイクはヴォーカルがあまりにも繊細すぎたため、僕は父にストリングスのアレンジを頼むことしか思いつかなかった。父がそれをやることについて懸念しているのを知って僕は驚いたが、この手のことをやらせたら世界中で父の右に出る者はいない。結局今回も父は数々の伝説的な仕事と同じくらいのヴァイタリティと共感を注いで、アレンジに取り組んでくれた。

23. ア・デイ・イン・ザ・ライフ
ジョージ:いつものことだが、ジョンは奇妙なところからインスピレーションをわかせ、この場合は新聞の切り抜きだった。だがミドル・セクションが必要になったためポールに何かアイディアはないかと持ちかけたところ、あるにはあったが結局うまく合わなかった。こんなにも違うテンポやスタイルを持ったもの同士なのだから切り離すべきだ気づいたポールは、その穴埋めとして後から24小節分のセクションの案を出した。交響楽団が欲しいと彼らが言ってくるまで、私にはその部分を一体何で埋めるのか、まるで見当がつかなかった。ポールは音階を上げながらクライマックスに持っていきたいと考えていたが、それを効果的なものにするには、ある程度のオーケストラ編成が必要だった。結果はご承知のとおりで、初めて耳にした人は思わず呆気にとられるほどの素晴らしい出来映えとなった。しかしこれを破壊的と見なす向きもあって、愛しきわがBBCまでもがドラッグ使用をあおるとしてこの曲を放送禁止とした。
ジャイルズ:取りかかる以前から、この曲につけ足しできるものなど何もないことはわかっていた。名曲以外の何物でもないからだ。すると今回のプロジェクト・コーディネーターでもあるアビイ・ロード・スタジオのアラン・ラウズが、倉庫から初期のオーケストラ・テイクを持ってきてくれた。そのおかげでクライマックス部分を盛り上げ、最後のピアノ・コードもさらに大きな音にすることができた。

24. ヘイ・ジュード
ジョージ:現役時代のビートルズは多くの名曲を書きレコーディングしたが、中でも「ヘイ・ジュード」は傑出した例だ。私がオーヴァーダブのために手配してあったオーケストラ内で、ちょっとしたいざこざがあったのを思い出す。自分たちのパートを演奏し終えたミュージシャンたちに、私はコーラスに合わせて一緒に歌い手拍子をしてくれるよう頼んだのだ。図々しいことは承知だったが、誰もがいい顔をしたわけではなかった。一人のヴァイオリニストなどは激しく抗議し、自分たちはセッション・シンガーとして雇われたのではないと言い残して出ていってしまった。だが誰か他に一緒に彼らを祝福してくれる人はいないかと尋ねたところ、みんなが残ってくれ、超過分のギャラが支払われた。
ジャイルズ:「ヘイ・ジュード」で直面した最大の難題は、エンディングの仕方だった。ポールがこの曲の終盤で弾いている素晴らしいベース・ラインがあったので、それを中盤に置いてみたが、この曲のエンディングはあまりにも有名なので、完璧に合わせるのにかなり時間がかかった。

25. サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(リプライズ)
ジョージ:これはアルバム『サージェント・ペパーズ』における仮想のパフォーマンスを締めくくるために作られた、活気あふれるアップビートのオリジナル短縮ヴァージョンで、最終曲につなげるにはうってつけだ。オリジナル・レコーディングはまさにあっと言う間の作業で、1967年のエイプリルフールの日の夜7時から録音を始め、翌朝6時には終わっていた。
ジャイルズ:…それに「サージェント・ペパー・リプライズ」のキーが合っていたのはまさにラッキーで、だからこの2曲をつなげることができたんだ。

26. 愛こそはすべて
ジョージ:アルバム『サージェント・ペパー』は1967年6月にリリースされ世界中で評判を呼んだが、休む間もなく我々はとてつもない任務を与えられることになった。全世界同時中継のテレビ番組に、ビートルズがイギリス代表で出演することになったのだ。まさに寝耳に水の話で、イベントが行なわれた週は、私にとって一生忘れられないものとなった。ジョンの「愛こそはすべて」を考えてはいたものの、アレンジやプロデュースなど通常の仕事も抱えていた。番組の一週間前、父が病院に運ばれた。私は毎日父を見舞い、父も日に日に回復しているように見えた。そんなわけで私はイタリアにいる妹に電話して、休暇を取る必要はないと伝えた。だが火曜の早朝、いつものように花束を持って病院に入ろうとしたら看護婦に呼び止められ、私を脇に寄せると父が夜明け前に亡くなったと告げた。私はショックで呆然とした。おそらく「愛こそはすべて」の仕事が頼みの綱だったのだろう。私は自分を叱咤激励しながら、やらなければならないことに打ち込み、それが私にとって救いだった。実際のテレビ中継になると、スタジオだけでなくコントロール・ルームの我々にもTVカメラが向けられた。オンエア数秒前になって、私は外に止めてあるBBCの中継車にいるTVディレクターから、スタジオにいるクルーとつながらなくなったので指令を中継してもらえないかとの緊急コールが入った。私はあまりのくだらなさに大笑いした。もしぶざまなことにでもなったら、2億人の前で恥をかいたも同じことなのだ。それは一つの時代の終わりを告げ、今、我々のショウの終わりを告げている。まるまる一周したというわけだ。
ジャイルズ:ショウの最後に使おうと、僕はずいぶん長い時間をかけてビートルズの終了合図や‘さよなら'と言っている音源を探した。だがほとんどのギグやラジオ番組の最後では、ていねいに‘ありがとう'と言うか、もしくはおじぎをして下がっていた。なので最後に聞こえる‘おやすみ'は、1965年に録音されたクリスマス・レコードからのものだ。


Source: Listen Japan, 東芝EMI
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